妊活中に転職活動をしている方の中には転職エージェントを利用している方もいると思います。
その際悩むのが、妊活や不妊治療のことを伝えた方が良いのか?
・妊活をしていることはエージェントにしても良いの?
・妊活のことを伝えたらどんな反応をされるんだろう?言わなくても良いの?
・転職活動中に妊娠をした時にはどうしたらいいんだろう?
など、気になることもあると思います。
転職業界で15年以上採用とキャリア支援を行ってきた管理人の視点で、転職エージェント側の仕組みや、伝えるメリット、デメリットをまとめます。
※転職エージェント利用に関わらず、妊活や不妊治療中の転職活動での注意点はこちらにまとめています。
転職エージェントのしくみ
そもそも、転職エージェントは求人を出している企業から売り上げを得ています。
企業のリクエストに叶った方を応募につなげ、選考を通過した求職者が入社まで至った時点で売り上げ獲得となります。
つまり、転職相談をしている皆さんが入社を迎えた時に売り上げが立つ仕組みとなります。
そのため、面談した転職希望者の方が次の会社へ転職成功するために時間と労力をかけて支援をしていくことになります。
妊活や妊娠をしていることを言われたらエージェントはどう思う?
妊活や妊娠の開示をされたときの対応や反応は担当のコンサルタントによってかなり色が出ます。
また、そのような方のご支援の方法は会社によっても態度や対応が変わるところかなと思います。
ただ、多くの転職エージェントが頭をよぎるのは下記のことです。
- 妊活のことを伝えた時
- 転職活動中に妊娠をしてしまう可能性はあるのか
- 転職活動で応募先に妊活の理解をしてもらおうと考えているのか
- 転職先に時間の配慮など妊活をするために時間等の融通を求めているのか
- 不妊治療の場合、入社直後に休みや早退などするリスクはないか
- 妊娠のことを伝えたとき
- 転職活動を今後どうする予定か
- つわりなど体調は大丈夫か
- (すでに転職決定している場合)入社先には伝えたのか
妊活を行っている場合は、転職先の選び方や転職活動などに影響してくる可能性があるため、転職希望者の方の意思や考えを元に支援をすることが多いです。
そして企業とのトラブルが発生する可能性が少ない妊娠前の転職実現を目指します。
妊娠をしている際は、転職活動自体の休止をそれとなく伝えるエージェントの方が多い印象です。
求人を出している企業の大半は入社直後からフルタイムで働ける方を募集しています。妊娠となると、つわりでの休み、早退や、1年立たずに産休・育休に入ります。企業側のニーズに応えることができない転職支援の場合、下記のようなことが懸念となります。
・転職活動で妊娠を伝えるとお見送りとなる可能性が非常に高い
・内定後に妊娠が発覚した場合、
ー妊娠中の業務対応の難しさを伝え、暗に辞退を促すよう企業から依頼される
ー企業と転職企業者の面談が依頼され、辞退を促される
エージェントの売り上げの視点からしても、工数をかけてもなかなか決定先が生まれない、または内定後にトラブルとなる可能性があるため、あまり積極的にご支援をしたがらない実情はあります。
転職エージェントに求人を依頼している企業の採用ニーズ
入社直後からフルタイムで働くことができ、研修などを経て1年以内に独り立ちして戦力になってもらいたい、と言うニーズが圧倒的に多いです。
そのため、転職活動中に入社直後に産休をほのめかすこととなる妊活や妊娠の開示はあまり良い評価を得ることはありません。もちろん、女性であればいつかは妊娠するかも、と言うことは企業も理解はしていますが、まさか入社直後に妊娠すると想定はしていません。結婚したばかりの方を採用する際、お子さんの予定をそれとなくヒアリングをする企業もあるほどです。
ただ、時代の変化や人手不足の影響もあり、少しずつですが、専門的な強みのあるご経験をお持ちの方を採用している企業などを中心に、妊娠が発覚しても採用をするケースもあります。そのため、絶対にダメと言うことではなく、活動を続ければ巡り会える可能性はあるとも言えるのです。
ちなみに法律上は採用(入社)が決まった段階で妊娠を理由に解雇はできないため、最後まで開示をしなければ雇用の確保はされるとも言えます。
※妊娠を隠して転職活動をすることを考える場合の注意点はこちらをご覧下さい。
転職エージェントは妊活・妊娠のことを企業に伝える?
伝えないエージェントが大半です。
コンプライアンスや社員指導がしっかりしている転職エージェントであれば、男女雇用機会均等法や要配慮個人情報などの勉強を行っており、職務経歴や労働に関わること以外は企業に伝えないケースが多いです。
転職希望者の方によっては、転職エージェントからうまく企業に伝えて欲しい、と考えることもあるかもしれませんが微妙なニュアンスの取り違えやトラブルを防ぐためにも転職エージェントから伝えることは多くないはずです。
裏を返せば、転職エージェントに妊活や妊娠のことを開示したとしても念のためエージェントから企業には伝えないよう釘を刺しておけば、転職活動中、自分から企業に開示しない限り企業に伝わることはほぼないでしょう。
妊活や妊娠を転職エージェントに伝えるメリット・デメリット
メリット
- ワーママや時短、育産休事例のある企業を紹介してくれる可能性がある
- 体調なども気にしながら面接調整の配慮をしてくれる可能性がある
- できるだけ早めに転職先を決定するために沢山求人を出してくれる可能性がある
エージェントや担当コンサルタントにより、考え方が違う部分もあるので、あくまで可能性です。
基本的に人の話を聞いて応えることが好きな方が多いのが転職業界なので、相談をすればその気持ちに応えるために求人を探したり、転職支援をしてくれる可能性は高いでしょう。
少なくとも管理人が担当だったら、妊活・妊娠中ともに、入社後安心して過ごせそうな会社を中心に始めは探します。ただ、希望の業務内容の会社ではワーママなどの事例が見当たらない場合、社員を大切に活かしている組織を中心にワーママの事例を作っていく前提でご案内をしていきます。
デメリット
- エージェントによっては求人案内が来ない可能性
- とにかく早く活動し入社決定することを促される可能性
- 妊娠が発覚した場合、活動休止を促される
妊活中の場合は、妊娠する前にとにかく転職先を決定することに力を入れる可能性があります。裏を返すとせかされるかもしれません。妊娠中の方は、お腹が目立たない家での転職先決定を促されるかもしれません。
そもそも企業トラブルのリスクのあると思われた場合は求人すら来ないこともあるかもしれませんし、妊娠発覚した場合はリスクが高まるため転職活動の休止の話があるかもしれません。
転職エージェントとしても、転職活動のストレスで赤ちゃんに影響してしまったり体調を崩して欲しくないですし、面接を組んだもののつわりで面接をリスケジュールすることを繰り返すようなことを避けたいと言うこともあります。
それでも転職をしたい場合は、転職活動を続ける、と伝えれば担当コンサルタントやエージェントによっては支援をしてくれる場合もあるので、最後は自分の意志になります。
まとめ
結局転職エージェントに妊活や妊娠を開示した方が良いのかでいうと、その方の意志によるのでどちらでも良いと思います。ただ、転職活動にも影響が出るような状態であれば、開示した方がエージェントと相談をしながら転職活動を進められるかなと思います。
また、妊活や妊娠開示に対するエージェントの対応も会社、担当者によって異なりますし、転職先も企業の考え方で対応も異なるので、それを踏まえて、活動中に妊娠をしても転職をしたいのか、と言う覚悟を自分がどれくらいもっているのかを考えて取り組むと良いかなと思います。
不妊治療を繰り返していていつできるか分からない・・と言う場合は、いったんは自分のキャリアを優先し、転職活動をしたら良いとも思います。
仕事は大切な自分の人生の一部でもあるので、妊活・妊娠にかかわらず希望の職場を見つけられると良いなと思います。