アラフォーで開始した不妊治療。体外受精後の判定日で陰性をもらい続け、陽性で喜んだのもつかの間、流産。ママでいたのは数週間・・・そんな日々が続き、少しでも妊娠確率が上がるようにと藁をもすがる思いでできることを試すようになりました。
同じように少しでも可能性のある補助治療をしてみたいと言う方のために、どんな目的の、どんな治療があるのか、35歳~38歳で管理人が経験した治療を元にまとめます。
※管理人の妊活歴の概要はこちらのブログにまとめています。
子宮内膜関連
SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)
体外受精前に行う施術で、胚盤胞まで培養した受精卵から出た培養液=SEET液を子宮に戻す方法です。
病院では、「仮の二段階移植みたいなもの」と説明されました。
受精卵が出来る際、身体からでるホルモンが妊娠効果に期待できる要素をもっていて、その培養液を抽出して子宮内に入れます。
それにより、妊娠の準備を身体が始めるため、SEET法を行った2,3日後に受精卵を戻すことで着床しやすくなり、妊娠率が上がることを期待したものとのことでした。
治療自体は簡単で、採卵の際に培養液を抽出します。その培養液を胚移植の前に体内に戻すもの。
そのため、治療当日は診察台に乗り、液体を体内に入れたら即終わり。量も少ないため、痛くもかゆくもない、一瞬で終わるものです。
ただ、このSEET法は培養液の何が作用しているのかも解明されていないため、着床率を上げることが出来るという科学的な根拠はありませんので着床したら嬉しいな、くらいで捉えた方が良いと思います。
また、培養時に培養液を抽出できるのは1度のみで、採卵・凍結後に行う1回目の体外受精でしか利用できません。
子宮内膜スクラッチ
子宮内膜の傷を修復する免疫作用を利用して妊娠率を上げる手法です。
治療の仕方としては、前の周期で子宮内膜に小さなひっかき傷を作ります。
その傷の修復のために分泌される動きが、着床時の動きと同じ動きであるため、擬似的な着床環境を作り出すことによって免疫を正常化し、次の周期の着床可能性をあげるものです。そのため、効果を期待するのはスクラッチを行った使った次の周期の胚移植となります。
体外受精以外でも人工授精やタイミング法で実施する院もあるそうです。ちなみに、子宮内膜を傷つけるので血がちょっと出ることがあります。というか少しだけ出ました。笑
また、私は次に記載しているPRPと一緒にスクラッチを実施しました。
PRP
傷を治す働きを持つ「血小板」を子宮内に注入することで、子宮内膜を修復、ふかふかにする作用を期待する手法です。血小板には細胞を成長させる働きがあり、傷ができた際に細胞を増やすことで、治りを早めることができます。
PRPとは自分の血液から抽出された物質のことで、血小板が多く含まれ、細胞の成長因子が豊富です。これを子宮内に入ることで子宮内膜の組織が修復され、子宮内膜が厚くなるなど、子宮内膜環境全般にプラスの影響が期待できる、というのがこの治療です。
治療としては、生理後指定の日に1回または2回、内診の上注入をするのみのため1分もかからず終わります。
そのほか、G-CSF療法という人工的に子宮内に軽い炎症を起こす(着床にはこの炎症作用が有効という話もあるそうです)ことで、着床率を上げるという手法も良く耳にしましたが、私はこちらの治療の経験はありません。スクラッチで対応したためかな??と思います。
免疫、体質改善関連
ピシバニール
免疫改善を狙った注射です。しみるので痛いです。
療法としては母胎の免疫バランスを整え、胎児を守るものです。
ピシバニール自体は、元々がん治療で使われるもので、がん細胞への攻撃を狙ったものなのですが、不育症では、体内で外部から入ってきたものを攻撃する役割のNK細胞が活性化しすぎることを防ぐ目的で利用されています。
NK細胞は、活性化しすぎると胎児を攻撃してしまうことがあるそうで、活動を抑制・正常化することで流産を防ぎ、妊娠継続を狙うのがピシバニール療法の目的です。
この療法を用いるときには通常は免疫活性状態を調べた上で使われるそうです。私は数値は正常だったはずなのに、流産していることからなぜか途中問答無用で打たれるようになりました。今思うとちゃんと理解してやれば良かった・・って感じですが。
また、ピシバニールが妊娠率を高めるかどうかについては立証されていないそうで、過度に期待しすぎるよりも打ち手の一つにすぎないと思ってトライした方が心持ちとしてはいいと思います。
DHEA
サプリメントというか、ホルモン剤です。効果を出すには3ヶ月くらい服用が必要です。そして当時の価格で6,7000円と高価です。これが処方され、値段の高さに不妊治療のためにもっと働こうと決意するきっかけにもなりました・・。
作用は弱い男性ホルモンのようなものですが、女性ホルモンにも有効で、エストロゲンの増加を期待できます。
また、卵胞の発育には男性ホルモンも多少は必要であるため、20代をピークに徐々に分泌が下がる女性ホルモンを補助しながら卵巣機能を向上させることが期待できます。
ただし、ホルモン剤のため、直接的に細胞に働きかける作用があります。そのため発がんのリスクもあり、妊娠時の服用は出来ません。
日本では医薬品の扱いのため、購入が難しいようですが、有効性自体も論文などで一部取り上げられているようですが、立証されてはいないようなのでこちらも上がったらいいなぁという気持ちでしょうか。
まとめ
着床率を上げるために出来る治療はお金をかければある程度存在はしています。悩みや状況に応じて使い分けられると期待ができるかもしれません。
ただ、成果が出た、と言う一部の論文などはあっても科学的になぜ効果があるといえるのか立証されていない治療も多く存在しています。絶対効果がある、と言えるものはありませんので、効果があったらいいな、うまく行ったらいいな、と言う気持ちの支えで受けてみると良いかもしれません。
ちなみに管理人が妊娠した病院ではこれらの治療は一切やっていません。
人によって合う合わないもあるのかもしれませんが、もしかしたら私の場合は、いわゆる「藁をもすがって何でも試している状態」が自分のストレスになっていたり、「私は妊娠できない」と自分で無意識のマインドコントロールをかけてしまっていたのかもしれません。
明確に不妊の原因がわかっていて、原因に対しての打ち手が必要な方には有効なものもあると思いますので、それぞれの状況似合わせてやるやらない、どれをやるのかなどを選ぶと良いのではと思います。