妊活をしているとき、職場では仕事に支障がないように、家庭では和を乱さないように過ごそうと心がけていました。
しかし、何気ない一言や状況で辛いと感じることもあり、普通に振る舞うことが辛い瞬間がありました。
ここでは、妊活をしている人の周りの方やご家族など、取り巻く周囲の方に向けて、妊活をしている人が感じていること乗り越えていることなどを知ってもらえればと思い管理人の事例を一例としてまとめています。
※妊活・不妊治療全体を通して辛かったことはこちらにまとめています。
※妊活をしている人の一例として管理人の不妊治療歴をこちらのブログにまとめています。
辛かった思い出リスト
職場
職場では妊活を開示しているかなど、状況によっても配慮ができるか難しいところですが、状況を把握している方はそれとなくサポートできると良いのかなと思います。
あげたらきりがないのですが、上位をあげると次にあげるものが実際にあって辛かったことリストです。
- 離職率が高い部署の仕事を任される
- 判定日に絶対に外せない会議を入れられる
- 早上がりの終業後に仕事の電話が来る
- 飲み会などのコミュニケーションを求められる
妊活中に離職率の高い部署の仕事を任される
妊活し始めの頃、部署の中でも比較的離職が多く、若手も多いことで育成や業務支援が必要なエリアを担当していました。
その結果、業務のプレッシャーもある中、離職、育成、フォローと業務実行以外にも気をもむことが多くストレスが重なっていました。
責任のある業務を任せてもらっている、と言えばそうなのですが、妊活は時間を重ねるごとに心身ともに追い込まれていきます。
そのため、自身の心身がままならない中で「業務をやりきる」が難しく、それが更にストレスになっていたように感じます。
どのポジションも同じような問題を抱えているのであれば、社員同士で連携し、助け合いもでき、ストレスも分散されると思います。
管理人の場合、その部署が特に目立って問題があり、日々休まる時間もなく、妊活同様出口の見えない長期戦を感じさせるものがありました。
そのため、ポジションが一切ない場合を除き、妊活で一定期間経過している場合、担当業務の相談ができるとありがたかったのかなと思います。
判定日に絶対に外せない会議を入れられる
判定日は、陽性(妊娠)であれば、嬉しさが溢れているのですが、陰性(妊娠できなかった)となると、とても悲しく辛いものです。
初めての陰性であれば、事前の期待値が高ければ高いほど涙が溢れそうになりますし、何回も陰性を経験している場合は、自信喪失してしまってその日は仕事に手がつかないようなこともあります。
また、判定日の翌週の経過観測で化学流産や様子見を求められることもあり、そういう日は気が気ではありません。
ただ、判定日であることを把握していても、どうしてもずらせない会議や発言やプレゼンを求められる時などもあると思います。
その際は、事情を把握している上司などが代打となる、場合により休むことも事前に許可をする、などすることで、その後の業務に差し支えないようにフォローができるととてもありがたいと思います。
もしもその場での代打やフォローが難しい場合は、事情を把握している同僚、上司などがさりげなく、「お疲れ」と声をかけてくれるだけで理解をしてもらっている気持ちになれ、安心して働くことができたと思います。
終業後に仕事の電話が来る
管理人の場合、16時頃に帰宅、その後自宅でリモート、と言う仕事の仕方を妊活後半で許可してもらいました。
その際、リモートで顔が見えないとはいえ、自宅での仕事が終わったタイミングで問い合わせの電話などが入ることもありました。
メールやチャットであれば(内容にはよりますが・・)まだ時間・気持ちが落ち着いているときに後で返せるのですが、電話だとその場での対応になり、治療の状況によってはつらいこともありました。
中でも事情を知らないメンバーからの電話は出ないわけにもいかず、気持ちをコントロールするのに苦労したこともありました。
そのため、業務後の電話はよっぽど緊急で、今この時間に通話・解決しないと進まない、という場合をの除きしないことと、電話で話をしたい場合はその旨のメール等を残すことで双方気を遣わずに業務を進められるのではと思います。
飲み会などのコミュニケーションを求められる
会社によってはオンタイムは仕事をしっかり行い、仕事終わりの一杯でメンバーや同僚と何気ない会話を行い、コミュニケーション量を増やしている会社もあると思います。
管理人の会社も比較的飲み会のコミュニケーションが多く、日頃から誘ったり誘われたりは行われていました。
ただ、妊活中は、生活リズムを正す、飲酒はしない、栄養バランスに気をつける、など気にしたいことは沢山あり、特に不妊治療を始めてからはいっそう注意を払うようになりました。
そんな折りに飲み会の開催を求められたり、アルコール無しでいいから、と誘われるのは辛いものがありました。
解散が20時など比較的早い、飲み会の会場から家から近い、と言うことであれば参加できたかもしれませんが、どうしても21時、22時となると服薬などもあるので参加しづらく、また居心地の悪い気持ちにもなりました。
そのため、ランチを少し長く取ることを許可するなど、オフコミュニケーションの目的に応じて、やり方や時間を柔軟に考えて対応してもらえるとありがたかったなと思います。
夫
夫は妊活のパートナーであり、支えあいの相手ではあるものの、何気ない夫の振る舞いで傷ついたこともあります。
もしも現在妊活中で奥様に気に障ることしてないかな?と気になる方がいらっしゃればご一読ください。
- 判定日のデートに遅れてくる
- 初期流産に対する理解のなさ
- 自分が楽しく飲むことを優先しすぎる
判定日のデートに遅れてくる
判定日が仕事が休みの日の場合、私たちは結果がどうあれどこかに出かけて気分を切り替えるようにしていました。
陰性の時は、かなり気分が落ち込んでいて、遊びに行くことで気分を紛らわせて晴らしたいと思っていたし、陽性だったら嬉しいので、おいしいものを食べて祝いたい!と言う気持ちがあったからです。
そんな判定日が休日の場合、婦人科はかなり混雑しているため、1人で行ってどこかで待ち合わせをするようにしていました。
しかし夫は、よりによって陰性判定をもらった日に遅刻をしてくることがあり、とても傷つきました。そんなに夫は判定日に対しての思いが軽いのか、重要ではないんだな、と憤りも覚えました。
病院で陰性判定を受けるとき、医師から直接告げられるのですが、その場で陰性告知を受けとめ、飲み込んでいました。ショックでも涙を流すまいと我慢して、次の治療についての相談をします。簡単にその場で気持ちを切り替えることはできません。
本当に辛いのですが、気持ちで乗り切っていました。
おそらく、不妊治療による陰性判定を受けている女性の方、みんなそんな気持ちだと思います。平常心でいられる方はなかなかいないのではないでしょうか。
そのため、判定日はとりわけ奥さん第一に考えて時間を使ってあげて欲しいなと思います。そうすることで今後の信頼の醸成と妊活中の精神安定にもつながっていきますので、とりわけ意識をしておくようにしましょう。
初期流産に対する理解のなさ
初期流産にあたる、化学流産(医学的には「流産」とは認定されません。着床したものの継続せず、卵が育たなかった状況)や稽留流産(妊娠22週目以内に卵が育たなくなってしまうこと)はとても辛いものです。
いずれの流産も回数を重ねると、女性側は妊娠継続への自信がなくなってしまったり、身ごもってからの消失感で茫然としたような気の抜けてしまうような気持になります。
管理人の夫は、この状態に対し、
”初期流産は不妊治療をしたから少し着床できただけで、そもそも普通に頑張っても妊娠しなかった受精卵だったんじゃないか? ”
”不妊治療しているから着床したことを知ってしまい、ショックを受けているだけで、悲しむことないんじゃか”
という感覚があり、打ちひしがれる管理人に、
「それってホントに妊娠してたの?気にしすぎじゃない?」
という言葉をかけ、一触即発となりました。
初期流産は、心拍を図る前や心拍自体が取れず、お別れすることになるケースもあるためお腹は目立ちません。
そのため夫に限らず、世の旦那さんの中にはその痛みや苦しみを理解しきれず、奥さんが悲しんでいても、その気持ちを汲み取り切れない方もいるそうです。
もしも思い当たるようであれば、赤ちゃんの初期からのエコー写真をネットで探して見てください。
奥さんはこの赤ちゃんの成長を病院ですべて見ています。自分のお腹の中で少しずつ大きくなる様子を見て、失われました。そのショックは計り知れません。
もし、それでもイメージが湧かない場合、こちらを想像してみてください。
- この流産がお腹も大きい状態で起こったらどう思うか
- お腹を蹴っているのを自分も感じてみていたらどう思うか
大きさが違うだけで、奥さんは自分の中にいるもう一つの命を大切に育てていて、先々を楽しみにしていたはずです。もしも初期流産の精神的な辛さがピンときてなかった方は、この状態をイメージしてから奥さんに接してみましょう。
難しいことは考えず、奥さんが落ち着くようなこと、好きなことを考えてあげるといいと思います。
例えば・・
- 残念だったね、頑張ったね、大好きだよ、と、横にいる
- 眺めのきれいな場所に行く
- 泣いていたら抱きしめてもらえる
- 温泉に連れ出す
自分が楽しく飲むことを優先しすぎる
不妊治療中は女性側は生活スタイルの変更や見直しを心掛けている場合もあります。管理人の場合は、お酒を飲むことがとても好きだったのですが、判定日に陰性をもらった時など以外はほぼ禁酒していました。
そんな中、週末やイベント、予定を自分が楽しく飲む、を優先しすぎないように注意してください。
たまに、奥さんの好きなことや好みのことも一緒に取り入れるようにしましょう。お酒を飲みすぎたことによって迷惑をかけてしまったり、小言を言われている場合は、頻度が高くないか見直してみると先々平和に過ごしやすいかもしれません。
管理人の夫はお酒を飲みすぎて家事を放置して寝られたり、変なところで寝てたりすることでたまに衝突していました。
酒癖系はタイミングを間違えるとかなり大きな火種にもなるのと、飲みすぎると記憶やろれつが回らないことで奥さんにストレスを与えすぎることもあります。
奥さんの許容度次第かなと思いますが、たしなむ程度で楽しむと安全です。
まとめ
人にもよると思いますが、妊活中は周りに妊活状況の詳細や気持ちを詳細に伝えられません。
SNSなどでコミュニティを作って情報交換をしたり、気持ちを吐き出して落ち着けるという方もいます。
外向きには平静を装っていても、心の中では葛藤していたり抱え込んでいる方は多いと感じます。
そのため、この人は妊活をしていても平気そう、大丈夫そうだな、と安易に決めつけるのはやめましょう。状況に応じて周りの方の温かい言葉、配慮などがあるととても安心しますし、信頼につながっていきます。
もしも周囲に思い当たる方がいる場合は相手の状況を慮ってあげられると仕事も、家庭についてもうまく絆を紡いでいけるのではないでしょうか。